霊峰大山(だいせん)。偉大な神のおわす山、大神(おおかみの)岳(たけ)。古代の人々は、大山のことをそう呼び敬った。その大山信仰の中心が古代より延々と続く大神山神社である。 奈良時代に編纂された出雲国風土記には大山は大神岳と記載されており、それ以前から信奉されていたことを物語っています。平安期になり大山に寺が入ってきたと伝えられています。 「神仏習合」の時代、僧侶は御祭神である「大己(おおな)貴(むちの)命(みこと)」に地蔵菩薩を祀って「大智(だいち)明権現(みょうごんげん)」の名を称し崇められていた。それが現在の大神山神社奥宮である。しかしこの奥宮は、標高千㍍近い高地で、冬には数㍍にも達する雪が降り、冬季の奉仕は困難な場所であった。そこで山麓の地に社(やしろ)を建て、これを冬宮と称し、本来の大山の社を夏宮とした。その後、三度遷宮して冬宮となったのが現在の大神山神社本社(里宮)である。 主祭神の大己貴命は大国主命の別名で、その他多くの名前とお力をお持ちであった。特に国造りをされたことから国土開発・産業発展・畜産振興、また 古事記「因幡の白うさぎ神話・手間山の赤猪岩神話」でも知られるように、病気平癒・再生の御神徳をお持ちである。 本社境内には鯉の泳ぐ堀池や、多くの紫陽花が植えられた外苑があり、六月から七月にかけ数多くの紫陽花が咲き誇り、参拝者の眼を楽しませてくれる。 奥宮(夏宮)は大山中腹より、杉やブナの巨木の中を自然石を敷いた石畳の参道を上る。豪壮な神門の先に鎮座されているのが、日本最大級の権現造りの社殿で柱・長押には金箔に似せた白檀塗という特殊な技法で彩られ、側面には天女の壁画、格天井には花鳥風月が描かれ、その華麗さには目をみはる。 毎年六月第一土曜・日曜日には、奥宮・大山山頂において「大山夏山開き祭り」が行われる。大山の夏山の安全を祈るお祭りで、土曜の夕刻より彩火された火を移して、数千本の松明行列が闇に包まれた参道を進む。翌日曜日には大山山頂において関係者参列の下に山頂祭が執り行われ、夏山の安全が祈られる。
大山の夏山シーズンの始まりを告げる、大山夏山開き祭は今年も無事に終了いたしました。
大神山神社は神道の神社で鳥取の大山にあります。 国の重要文化財に指定されています。 大山は古くから神に捧げられた山としてたくさんのお寺や神社がありました。山の中腹には大山寺があり、修験道の修行の場でした。(修験道とは大山に修行に来る人のこと)上方には700Mの長い石畳が続いています。奥宮の社殿は日本の最大級の権現造りです。(権現造りとは神社建築様式の一つで本殿と拝殿の間に低い廊下を挟み一つの屋根で繋いだスタイル)初めは海抜998M のところに神様にお祈りする簡易なものが建てられたのが起源です。その小さな建物は平安時代に建てられました。奥宮は冬になると積雪が厳しいため、山の麓にもう一つ建てられ、それを冬宮、奥宮は夏宮と呼ばれています。夏宮は平安時代からあります。 明治維新の後、この寺は大山寺と分けられました。そして夏宮は大神神社の奥宮と改名され、本尊も移されました。現在、本殿にはオオナムチの神が祀られています。
Oogamiyama Shrine is a Shinto shrine located on Daisen in Tottori Prefecture. It has been designated as the national important cultural asset. Historically, Daisen has been a host to many temples and shrines, as it was considered as a mountain given by god. Daisenji is located in the middle of the mountain, and it served as a training ground for Shugendo (Shugendo refers to those who come to Daisen for training). Higher up the mountain, is a long 700m path paved in stone. The main hall in Okunomiya features the largest gongenzukuri in Japan (gongenzukuri refers to a style of shrine construction, where the main hall and the worship hall are separated by a lowered hallway but connected by a shared roof). It originated from a simple structure to worship god, built at 998m above sea level. This simple structure was build during the Heian era. Since Okunomiya experiences heavy snowfall in the winter, another structure was built at the base of the mountain. This was referred to as the winter palace, and Okunomiya was referred to as the summer palace. The summer palace has been in existence since the Heian era. After the Meiji Restoration, this temple was separated as Daisenji. The summer palace was renamed as Okunomiya of the Oogamiyama Shrine and the principle image of Buddha was also transferred. Currently, Onamuchi god is displayed in the main hall.
奥宮は日本最大級の権現造りの神社で、神仏混交の様式を伝えています。 正面の長廊は、両翼約50メートルあります。この権現造りの社殿は文化2年(1805年)に建築されたといわれ国の重要文化財に指定されています。
御祭神は大己貴神(おおなむちのかみ・奥宮)あるいは大穴牟遅神(おおなむぢのかみ・本社)様で、大国主神のお若いときのお名前です。大己貴神(大国主神)は古事記、日本書紀、出雲風土記等の神話・伝説に多く示すように数々の御神徳をお持ちで、 特に国造りをなされたことから産業発展、五穀豊穣、牛馬畜産、医薬療法、邪気退散の神として有名です。
内部の柱等の金色は日本最大級の白檀塗りで彫刻や彩色壁画で囲まれています。※白檀塗:銀箔を貼った上に生漆を塗ってその化学変化により金色を出す技法。欄間等に使われることはあるが、これだけ大規模のものはまれである。 天井画には花鳥風月が描かれています。
もと大山寺本坊西楽院の表門であったが、明治8年寺から神社に引き渡されてこの奥宮の門に移転した。その時、そのまま移転したので後向きといわれている。神門、通常の門とは扉が逆向きに開くので逆さ門とも言われていますが、神社の様式としては間違いではありません。
一の鳥居から本殿まで続く、約700mの石畳は日本最長の石畳です。昭和初期に自然石を使って造られました。
昔、大智明大権現の末社で、その祭神は備中浅口郡江原荘の郡司・渡辺源五照政の霊を祀る。照政は大智明大権現を崇信し、毎月一度必ず参詣し数十年の間、一日も怠らなかったが、元徳2年参詣の帰途、同国の人鈴木某と争い殺され、寺僧はその死を惜しみ遺骸を下山に葬り下山善神とした。